ezohikiの日記

道内五拠点生活

幻の日高横断道路

静内川上流コイボクシュシビチャリ川より
カムイエクウチカウシ山方面を望む日高山峡僻遠の地
気軽に触れることすら憚られる原始の針広混交林

ついに松前でヒグマ注意報が発令、マラソン大会も中止になったとのこと。

お城のある福山台地の東、管理地へ至る通い慣れた中心市街。まさか警察署の真ん前に出るとは‥人を恐れない危険な熊かもしれません。

そして浦河、宿舎から徒歩数分のガス屋さんの前で出没😱

よりによって道内で最もヤバいの、松前と浦河なんでない?共通するのは冬が温暖で積雪も少ない地域、やはり熊にとっても越冬し易い優良物件なのでしょう。実際、生息密度も高いみたいです。

浦河にある生協2店舗の近くで出没
何か買いに来たの?

生まれて此の方、大学4年を除く50年を道内で暮らしてきました。もう一生?北海道から出るつもりはないので、いずれは遭遇するだろうと思ってたある日、森の中で出会っちゃいました🐻

通行止め区間もダム管理に利用されてるので
全てムダになった訳ではないのですが‥

野塚峠を経由する天馬街道(浦河~広尾)が先に開通したことにより、建設中止となった道道静内中札内線。ほかに山脈越えのルートは北端の日勝峠(山日高~十勝清水)・南端の追分峠(えりも)しかありません。

未成のまま打ち捨てられた日高横断道路、一般車両立入禁止区間(静内ダムから奥)のパトロールに同行させてもらうことになりました。日高山脈の深淵「熊が転げ落ちる」という意味のカムイエクウチカウシ山(EL1979m)の懐へ‥

熊が転げ落ちるなら人は尚更
匙で掻き取った様な氷河地形・カール(圏谷)が分布
過去にも雪崩やヒグマ襲撃による犠牲者が多数
秘境いや魔境とも言える山かもしれません

ナイフリッジが150㎞に渡って続く鋭い稜線。

新生代第三紀、大陸から引き離された後に西へ戻って来た北海道の東半分と、遅れて東へ移動していた西半分がぶつかり、東(十勝側)がマウントを取る形で西(日高側)に乗り上がったのが日高山脈と言われています。

日高側は中生代の海底に堆積した土砂
地層が斜めだとズルズル滑る地すべり地形
十勝側は元々大陸だった地殻で構成され
果てしない大平原が広がります

一帯は原生の姿を留め、アポイ岳襟裳岬を含めた日高山脈襟裳国定公園として管理されてますが、来年には国立公園へ昇格する見込みです。

特殊技能を持つ登山家たちだけが垣間見ることを許され、一般人は遠くから眺めるだけ。原生とか在来の自然とは本来そういう存在かもしれません。

その点、アポイ岳は有難いことに自分の様な素人にも原生の一端を覗かせてくれる貴重な山です。

戦後開拓の痕跡
通行止め区間にひっそり残る記念碑

どん詰まりは地図にも載らないトンネル
風化砂岩だらけの山腹を2㎞ほど掘削済み
あと数㎞で分水嶺なのですが
ここまで至る道路が未改良ではどうにも‥

あっ!ヒグマ!人生初クマです
ここは熊の領域ですが少し脅しておきます
人里まで出這って来ないでね🙏

静内川本流にある治水・利水(発電)用の高見ダム
ロックフィルでは道内最大級の堤高120m

ギャラリー(監査廊)内のケーブルカー

プレミア感が満載のダムカード
集めてた同僚に譲りました

【R5.10.7訂正】コイボクシュシビチャリ川は静内川の支流ではなく本川上流部の呼称でした。