もし夏の定義を「夏日(日最高25℃以上)が続く期間」とするならば、日高沿岸に夏はほぼない!ってことになります。
道内各地で連日の夏日・真夏日、いや先日は北見で猛暑日も記録する中、全く無縁の霧・霧・霧‥でも日中は蒸し暑いんですよね、20℃越えただけで。
海霧が晴れても親潮からの冷風は強く、日が落ちるとストーブを焚く程でないにしろ肌寒い(猛暑に喘ぐ地域に分けてあげたい!)永遠にこんな日が続くのではないか、と錯覚しそうな日高沿岸の初夏。ようやく窓を開けれる程度まで気温が上昇してきました。
海側の窓からは高く鼻突く磯の香、山側の窓からは馬のいななきとともに厩肥の臭気。いずれも自分にとっては馴染み深い安堵する匂いです。
夜、または早朝に窓を開け放つと部屋に甘酸っぱくて悩ましい香りが流れ込みます。
花の芳香、それに発酵した樹液の酸っかい匂いが混ざった様な、夏休みの朝、ラジオ体操の帰りにガニ(セミの幼虫)を探しに行った時に嗅いだ、清々しい子供の頃の記憶が思い起こされます。
恐らく、芳しい花の正体は今が旬のイボタとクリでしょう。もう少しするとハシドイやホザキナナカマドなんかも加わり、アタマの中はハナムグリにでもなったよう。
この辺りのクリは全て植栽と思われます。道内のクリは縄文時代に食料として持ち込まれ道南で帰化したもので、自生の北限は南空知の栗山・栗丘・栗沢付近(クリの付く駅名が3つ続きます)それより北・東でも植栽はされてますが、実入りはあまり良くないみたいです。
しばらくカラカラ天気が続き、ようやく降ったと思ったらお湿り程度。夕方にケラが鳴き出すのに合わせてアマガエルも合唱します。少しの雨でもどこか(川の高水敷?)で産卵しているのでしょう。
低温のせいか、まだエゾハルゼミの声が聞こえます。道南や上川では7月に入るとまず見られません。そのため最初は「まさか日高にもヒグラシが?」と聞き間違えたものです。