サツマイモは極寒の美深でも収穫可能です。恐らくゴーヤも育ちます。近年は道内各地で落花生など意外な作物が栽培されている様です。
単年作の場合、冬どんだけシバレようとも関係ありません。生育時に高温が期待できる上川盆地は亜熱帯原産である稲の一大産地となってますし、逆に日高沿岸みたく夏に海霧が覆う地域では、たとえ冬が温暖でも草地が優先します。
作物にとって制限要素は夏の積算温度、つまり無霜期間に収穫までたどり着けるかどうかに依ります。
道内の稲作は江戸前期の渡島大野(新函館北斗駅周辺)で始まりました。明治以降、道央・道北へと拡大、現在の北限は遠別~美深~美幌を結ぶラインで、石高は新潟と並び日本一となっています。
♪五月雨の注ぐ山田に‥田植えは梅雨期というイメージがありますが、道内では春先からハウスで育苗、5月に融雪水を利用して田植え、9月中には収穫を終わらせます。用水を日光で温める温水溜池(温ため)と呼ばれる水利施設がありますが、今の品種はしゃっこくてもちゃんと育ちます。
先人達の飽くなき挑戦、まさに「試される大地。」
一方、果樹は冬の寒さや雪の保温効果にも左右されます。
空知の浦臼ではハウス内の季節を反転させる、という発想でマンゴウを栽培してるそうですが、寒地での果樹栽培には工夫が不可欠と感じます。
義父は様々な果樹の露地栽培にも挑戦、高クオリティなフルーツを作って皆を驚かせます。
リンゴは旭川が限界みたいで、美深では敢えなく凍死。たぶん桜桃やブドウも同様かと思われます。三浦綾子の小説の舞台、石狩と天塩の分水嶺「塩狩峠」が一つの壁になっているのでしょう。
桃は旭川でも厳しく数年で枯れてしまいました。