ezohikiの日記

道内五拠点生活

北限を越えた動植物

エゾヒキガエルのはなし番外編~研究者の素顔

丘と海のまきば・浦河 内辞を受けました。余程の不祥事?を起こさない限り日高へ居座れることに 環境に関わる仕事を志しながら専攻したのは農業土木。呼び名が泥臭いため現在では環境資源科学とか農業環境工学とか改称している大学が多いみたいです。どうも…

エゾヒキガエルのはなし④

かつて函館の実家の池でも孵化していたエゾヒキガエル 旭川や美深が位置する上川地方は今、積雪深のピークを迎えてます。3月に入ると道北と言えども降雪より融雪が上回るためですが、平均気温が+となるのはまだ先のこと。 まだ寒い内に落葉樹の剪定を済ませ…

5拠点生活の行方②

浦河町西幌別から見える南日高の山並み天馬街道野塚峠の向こう側は十勝の大平原 日曜日は今年初の練習日。サプライズでBTC(軽種馬育成調教センター)のH教官に部班運動を指導して頂けることになりました。 正直、少し緊張します。ワーホリ移住のKさんがレッ…

針葉樹の実生

ドイツトウヒ(旭川にて)道内では線路を雪から守る鉄道林として利用されます 大寒なのに浦河は昨日も雨でした。相変わらずの積雪ゼロ。根雪が当たり前の道内ではあり得ない光景です。 耕せそうですが表面はシバレてます(浦河にて) 年末に雪がこんこんと積…

クビキリギス?道内に?

ウバメガシを部屋に取り込むと‥おや? 浦河でも珍しく積雪がありました。旭川の1割足らずですが。 例年この時期、お約束みたいに短靴のまま旭川へ帰ってしまう失態を繰り返してましたが、3度め、うんにゃ4度めの正直でちゃんとスノトレで帰宅✨⛄ さて、浦河の…

雪の城下町・父娘旅

雪を纏う松前城 先週末は道南へ帰省しました。 前回は盆明けの異常な暑さに見舞われた頃なので3ヶ月ぶりになります。 進学の報告も兼ねて、今回は長女が同行します。 できれば札幌で合流し一緒に函館へ向かいたかったのですが、日程が合わず松前で落ち合うこ…

シャクシャイン終焉の地①

新冠川右岸に見えるピポクチャシ(判官館)跡 道南方面と日高路を往復してると、江戸前期に起きたアイヌ民族の一斉蜂起「シャクシャインの戦い」が偲ばさります。 争いの発端となった静内川(R4.6月)対岸(左岸側)はシャクシャインの本拠地シベチャリチャ…

エノキとエゾエノキ~楡科の木々②

旭川に植えたエノキ(9月) 単身世帯に大抵ロクな訪問者は来ません。セールスか宗教勧誘のヒマな人たち。向こうは用があるかもですが私にはないので居留守を常としています。たまに妻から宅配で兵糧が届きますけど、事前に連絡があるため分かります。 でも先…

農村と里山の生態系③

函館の実家の隣接地一昨年まで造園業者の苗畑でエゾヒキの生息地でした代替わりで皆伐され放置されたまま荒れ放題 このキャッチコピーは元同僚N氏の作品 前回「農地や里山は放置すると荒廃」と述べながらも注釈が抜けてました。 理論的には遷移を経て本来の…

札幌出張

海外からの観光客が戻り始めた札幌中心部とやかく言う方もいるようですが大事なお客様学生時の下宿の隣人(留学生)や長男の幼なじみ(聾学校)のお母さん‥いずれも中国の方でしたが面白い人たちでした嫌○○の人って知り合いや身内に○○人がいたら葛藤するのか…

またたく熱帯夜

ウニ漁かな?磯舟が浮かぶのは城の石垣を再利用した福山波止場跡(土木学会選奨土木遺産)今日も暑くなりそうです(松前にて) 今夏は函館や旭川でも熱帯夜を観測しました。また松前など道南の日本海側では熱帯夜が常態化してる様です。 盆休み前半を夜めっ…

めずらしく社会的な話。

前回に引き続き、道南の夏景色をお届けします。 五稜郭外堀跡の保全林国内外来種のアカマツやスギが植栽されアブラゼミが暑苦しく鳴いています 姪っ子の1人が通う高校は父の母校でもあります五稜郭と連続した緑地帯が連なっておりエゾリスが生息 実家最寄り…

本州より南の北海道

幻想的なヒグラシ♀の羽化夜光塗料のような薄緑色です大松前川右岸の竹林にて 何言ってるの?アッペでしょ、って思われるかも知れませんが、ご覧のとおり北海道南端は本州北端より南に位置します。 また、日本海から津軽海峡へ暖流が流れ込み恵山沖で冷たい親…

農村と里山の生態系②

実はこの表題、32年前の卒論テーマ。 前回の補遺 既存の生態系にどんな影響を与えるのか予測できない以上、安易に生物を移入すべきでない。 既に定着している、特に古い時代の帰化種は過去の経緯を検証しつつ、文化的・歴史的意義も踏まえた上(保全も含め)…

エゾヒキガエルのはなし③

S42.6.21道新(函館版) 函館山に古くから棲む国内外来種アズマヒキガエル(通称エゾヒキガエル)が直面した最初の受難、それは唯一の天然水域だった「伊藤の池」の消失でした。 元々、函館山には常時流水のある河川は存在しません。起源が火山島で山体も小…

晩冬の函館・松前

冬期間はどうしても道南方面への帰省より上川(旭川・美深)方面への帰宅が優先しがちです。根雪が殆どない浦河では考えられませんが、ひと月も放っておくとトンでもない量の雪が溜まるからです。 とはいえ函館にも老父の機嫌伺いに行きたいし、庭木の剪定も…

さざんか咲いた

日高管内も11月半ばを過ぎると木枯らしが吹いて、カシワの半落葉とクロマツの緑を除き海岸段丘はすっかり冬木立に。 鮮やかなピンクのマユミの実枯野の中で一際目を引きます 空っ風にカラカラと葉を鳴らすカシワ林は、ちょうど年の瀬の関東・武蔵野のクヌギ…

冬の訪れ

先月末から胆振の養鶏場で鳥フル発生が相次ぎ、再び猛威を振るっています。隣接する日高への伝播も時間の問題なのか‥ 先日、某番組で出演者が「北海道ってもう寒いのかな?何着て行こう?」と言ってましたが、今が最も道内での地域差を感じる頃です。 北海道…

ニュータウンのニレ~楡科の木々①

函館へ帰省する際、札幌の東玄関・大谷地ターミナルで高速バス乗換をします。 食事をとったり散策したり、10hに及ぶ長旅中の大切なリフレッシュです。方向オンチで人混みが苦手な自分でも、何度も立ち寄ってるので無駄に徘徊しません。それでも地下鉄のりば…

クヌギの思い出~ブナのなかま①

子供の頃、図鑑の分布欄に「本州以南」と書かさってるのを見て羨ましく思っていました。きっと対岸には色んな動植物がゴマンといるのだろうと。 函館の街を抱くショッパイ河こと津軽海峡には生物の往来を隔てるブラキストンラインが存在しますが、本州はすぐ…

寒地の作物と果樹

サツマイモは極寒の美深でも収穫可能です。恐らくゴーヤも育ちます。近年は道内各地で落花生など意外な作物が栽培されている様です。 単年作の場合、冬どんだけシバレようとも関係ありません。生育時に高温が期待できる上川盆地は亜熱帯原産である稲の一大産…

つれづれなるままにヒグラシ~道内セミ事情

8月半ば、管内でも災害事象(20㎜/h又は80㎜/24h)を越える雨が観測されました。H15に日高を襲った台風10号の様な激甚がなければ良いのですが‥ 雲が途切れると日中まだ夏の匂いが残っていて、周囲の森でセミが鳴いています。全道的にスタンダードなコエゾゼ…

北海道南端エリアの昆虫

前回に続き、道南編です。 本州から青函トンネルを抜けると渡島管内知内町。カキとニラとマコガレイ、最近は高校野球の強豪校でも知られています。 道端で見つけたシロスジコガネ。 クロマツ林に発生、生息も道南に限られることから、クロマツと共に本州から…

エゾヒキガエルのはなし②

路面電車の終点・谷地頭(ヤチガシラ)。 函館山の南東麓に位置し、ぐるりと杜に囲まれた趣のある閑静な住宅街です。 地域全体がスリ鉢状の地形を成しており、NHK「ブラタモリ」でも謎の凹地として紹介されましたが、火口の跡ともいわれています。 戦前まで、鉢…

エゾヒキガエルのはなし①

函館山山麓を散策していると、地元のロータリークラブが設置したロードキル注意喚起の標識を見かけます。 この標識に示されている「エゾヒキガエル」とは、古くから函館山に土着していた国内外来種アズマヒキガエルの通称です。かつて私も保全活動に係わって…

仰ぐ臥牛の峰 美しく(駒場小 校歌の一節)

港街の函館市は いつ来ても 潮風に油がまざったような 香りをただよわしていた すべてが雑然としたこの市街は かつての大火災後 一層雑然さを加えて来たようだ それにしても なつかしいのは 函館山の姿である この山を眺めて 初めて故郷らしい 気持ちになっ…

ハチクの勢い

北海道では竹林が極めて稀、という記事を以前書きましたが、ハチクやヤダケの「竹藪」なら函館市内でも割と普通に見られます。(正確にはヤダケは笹に分類されます。) ハチクは華北原産で寒さに強く、道央あたりでも生育するそうです。 ♪竹に短冊七夕祭り …

カマタマ。

昨年11月、松前の別宅で見つけたオオカマキリの卵嚢です。 北海道でカマキリといえば超希少。 東京での学生時代、キャンパス内の空地で馬に食わせる青草を刈っていると大小様々、多種雑多なカマキリがゴマンといて自分だけテンション上がりまくったものです…

北辺の竹林~モウソウチク

松前城のある海岸段丘の背後には寺町が形成されており、北海道遺産にも選定されています。思わず道内にいることを忘れてしまいそうな、古刹と椿と竹林。 内地でモウソウチクは荒廃した里山にはびこり問題になっている様ですが、道内ではごく一部でしか育たず…

北辺の照葉樹~ツルマサキ

いつも不思議に思うのは「この北海道に生息している生き物たちは、どうやって渡って来たのだろう?」という疑問です。 日本列島の成り立ち(地殻の変動)や氷期の到来(気候の変動)、これらを時系列に整理しても様々なパターンが想定できますが、暖地性の動…