ezohikiの日記

道内五拠点生活

北辺の照葉樹~ツルマサキ

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いつも不思議に思うのは「この北海道に生息している生き物たちは、どうやって渡って来たのだろう?」という疑問です。

日本列島の成り立ち(地殻の変動)や氷期の到来(気候の変動)、これらを時系列に整理しても様々なパターンが想定できますが、暖地性の動植物に限っていえば最終氷期が終わった1万年くらい前(いわゆる沖積世)から考えるのが無難かなと思います。(以下、素人の自説です。)

外来種をハッチャキこいて駆除しようとしている人々が何かと口にする「在来の自然」、これは極相(原始林)のことかと思われますが、本州の暖地での極相は照葉樹林となります。道民には馴染みの薄い、冬でも落葉しないブロッコリーみたくモコモコした暗い森です。

現代、照葉樹の高木は東北沿岸部まで分布してますが、氷期には伊豆南端あたりへ下がっていた様です。ここから逆算し現代より5-6℃寒かったと仮定、それが全国一律だったとすると氷期には‥

  • 奄美が現代の東京並み
  • 東京が現代の松前(北海道南端)並み
  • 松前が現代の道東・道北の内陸部並み

つまり現代、寒冷な道東・道北にまで分布を広げていない種は、氷期にも北海道南端(地峡があったとすればその付近)で生き残れてなかった可能性が高いと言えます。

道内に生息する暖地性の動植物は縄文以降の温暖化に伴い本州を北上、その後、一体どうやって海峡を越えたのでしょう?

  • 実は道内に生き残っていた(温泉地など)
  • 自力で泳いだ(飛んだ)
  • 種子が鳥のフンで運ばれた
  • 対馬暖流に乗って漂着
  • 縄文人・擦文人が食糧として持ち込んだ
  • アイヌ民族との交易や北前船による海運(中世~近世)
  • 明治以降の移入

上4つが在来、下3つが外来という扱いになるのでしょうが、あまり意味のない区分に思えます。

写真は近所の雑木林の林縁で見かけた常緑つる性植物であるツルマサキ。

恐らく鳥フン運搬と思われる、照葉樹のハシクレです。