砂山

臥牛山(函館山)と共に、市内の学校で校歌によく登場する地名が「宇賀の浦」です。

「巴の港」と称される天然の良港・函館港の反対側、外海(津軽海峡)に面した海岸で、大森浜とも呼びますが、かつては砂山とか高盛山とか言われる砂丘があったそうです。上磯(今の北斗市)にあるセメント工場が細骨材として砂を採掘し、戦後にはすっかり消えてしまいました。

 

砂山へいって のぼって見たら 昔の俤がかすかに 残ってるに過ぎないが やっぱり嬉しかった 啄木がその昔歌った砂山も コンクリートの 材料にはこばれて 鮭の頭のような かっこうになっていた(小山内龍 著「昆虫放談」 ふるさとの人と自然 より)

私の通っていた中学校から「見晴かす宇賀の浦辺」まで南へ1㎞足らず、現在は公園として整備され、石川啄木の座像と歌碑が設置されています。

 

潮かをる 北の浜辺の 砂山の かの浜薔薇(ハマナス)よ 今年も咲けるや

 

ちょうど見頃だったので一枚。花の白い品種もあり、甘いローズの香りに包まれます。同じく海浜に適応した植物・ハマヒルガオの淡いピンクの花も見つけました。

啄木が砂山で詠んだといわれる、余りに有名な代表作はこの二首。

 

東海の 小島の磯の 白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる

砂山の 砂に腹這ひ 初恋の いたみを遠く おもひ出づる日

 

大森浜は磯ではなく浜であり砂鉄を含んだ黒砂、イソガニとかイワガニは見かけない‥いやいや、理系的発想は野暮ですね‥

この砂浜、西は立待岬(住吉浜)から東は湯の川温泉街のあたりまで、その向こうは根崎・志海苔・日浦といった、下海岸と呼ばれる岩礁地帯が亀田半島先端の恵山岬まで続きます。(写真の右端は途中にある汐首岬)

一見、海水浴に最適なビーチにも見えますが、潮流が凄まじく、また、急に深くなるため、なまら危険です。高校生の頃に友人たちと泳ぎに行ったりしてましたが、かなり無謀な行為だったと反省。