ezohikiの日記

道内五拠点生活

私の第三地区

GW前半は老父のいる函館の実家へ帰省しました。

 

故郷へ 故郷へ これだけ書いただけでも ゾクゾクする程嬉しくなった 北海道函館市は 僕の生れ故郷である 港の景色も 街や山の姿も 母や兄や姉や その子供達も 想い出すと限りない なつかしさがわいて来る(小山内龍 著「昆虫放談」 ふるさとの人と自然 より)

 

函館出身の絵本作家の著作から引用しました。描き出されているのはS12年の夏とS15年の夏、函館とその近郊 渡島大野(現 北斗市)。

S12年(1937年)といえば父が生まれた年で、私が函館で過ごしたS40年代~S60年代より遥か昔の話になりますが、当時の街や自然の様子に「限りないなつかしさがわいて」来ます。

更に、著者の師匠として登場する昆虫学者 石井悌博士は、私の出身大学の前身である農林学校で教鞭をとっていたそうなので、縁を感じずにはいられません。

 

昆虫に関した雑誌の中で、忘れられないのは小山内龍氏の『昆虫放談』という気楽で落語調の本であった。-中略- その中に、小山内氏が勝手に名づけた「第三地区」という名称が出てくる。(北杜夫 著「どくとるマンボウ小辞典」私の第三地区 より)

 

どうも虫オタクにとって自分だけの秘境、不思議な異空間を「第三地区」と呼ぶらしいのですが、私にとっての第三地区は小学校低学年の頃に通っていた沼。低湿地のためか住宅地の只中に残され、鬱蒼としたカラマツ(※)にキジバトの声、キンブナ(※)やウシガエル(※)、希少なヒメミズカマキリを捕まえた記憶があります。もちろん、今は跡形もありません。

中学の頃に見つけた湿地が第四地区(?)ここにはコオイムシとオオコオイムシが混在してましたが‥

高規格道路の工事ヤードとして整地されてしまった?

どっこい、湧水により水域が復活していました。

 

(※)外来ですが当該水域の生態系を構成していた種です。