谷あいのエゾヤマザクラ

本日は現地調査のため日高管内新冠町の山間部へ行って来ました。

ヒグマの気配に怯えながらハルニレ・オニグルミ・クリ・クロビイタヤなどが一斉に芽吹き出した沢筋を下っていくと、南向きの法面に早くも満開となった一本のエゾヤマザクラを見つけました。

桜前線がショッパイ河を越え松前に上陸するのは平年値で4/27、日高管内にはいつもならGW明けに到達しますが、今春はかなり早い開花です。

この桜前線、北海道では‘’北上‘’ではなく‘’東上‘’するばかりか、内陸部から沿岸部へ進むので、開花日を結ぶ線は複雑に入り乱れます。しかも途中で標本木の樹種が変わり、札幌~室蘭以西はソメイヨシノ、これより東ではエゾヤマザクラ根室ではチシマザクラになります。

道内に自生する野生種エゾヤマザクラは、挿し木や接ぎ木で増やす園芸種(つまりクローン)と異なり多様な遺伝形質を持つため、ソメイヨシノの様に同じ色の花が同時に咲く、ということがありません。

開花はソメイヨシノより若干早い個体が多いと思われますので、桜前線は石狩低地帯の辺りで一瞬ワープ、不連続の破鎖が生じます。

こちらは帰りに立ち寄った「さくら名所100選」の静内二十間道路。

全体では五分咲き程度ですが、咲き始めのもの、満開のものなどが入り混じっています。葉が出る順序や花の濃淡も様々ですが、別名ベニヤマザクラと呼ばれるだけあってピンク色が目立ち、慣れてくるとソメイヨシノが白い花に見えてしまいます。(甘い茶碗蒸しを食べ慣れると内地の茶碗蒸しは味がしない!と感じるのと一緒かも?)

開花の便りはひと月近くかけて道内を横断します。