ezohikiの日記

道内五拠点生活

留萌本線汽車の旅

現住所や自宅・実家等がある浦河・旭川・美深・函館・松前の5拠点とは別に、過去に在住した又は滞在した“ゆかりの地”を数えると両手の指を越えます。

在住期間でランキングすると‥

  1. 音更(十勝)8年
  2. 士別(上川)6年
  3. 留萌(留萌)5年
  4. 府中(東京)4年
  5. 栗山(空知)3年

大学時代は色々なバイトに携わりました。が、自分の懐には一切入らず馬術部で吸い上げ、つまり部費は徴収しない代わりに身を削るという訳です。

府中競馬場での放馬止や誘導馬付は割の良い方でした。当時はオグリキャップ人気が絶頂、名勝負を間近で見ることも。

ひと夏にも及ぶ甲信の育成牧場等への出面は辛いものでしたが、茅野・小淵沢・富士吉田も今は懐かしい“ゆかりの地”です。

また、寝藁を確保するため毎秋通った埼玉の東松山あたりも思い出深いのですが、藁の代償として随分農家のオバチャンにこき使われたものです。スポーツ車で東京の大学へ通う同世代の息子には手伝わせず、その分、我々にタダ働きをさせ、挙げ句には「アタシら毎日こんなことしてんだからね!」などと宣う始末。「それはアンタの仕事でしょ」と言い返せなかったことが悔やまれます。

 

さて、在住期間3位で“ゆかり度”の高い留萌ですが、6月末に続き再度訪れました。

メンツは妻と‥

札幌から帰省中の長女(留萌産)、大学の秋休みを利用して美深の庭木の冬囲い・サツマイモ収穫の手伝いに来ています。

魚卵をいたく好む次女、乗り気でなかったのに「お昼は◎寿司で」の一言により二つ返事でOK。

長男はバイトがあるためお留守番です。

前回は無料路線バスを利用しましたが、今回は美深往復にも使用中の「6日間周遊パス」と「道北1日散歩きっぷ」でJRの旅です。

来春で消える鉄路は満席でした

あの頃ちょうど朝ドラの舞台に

今はなき瀬越駅まで汽車で海水浴
小4だった次女

あれから6年、少しは大きくなった?
向こうは増毛連山
季節外れの陽気で泳げそうな水温
あとひと月もすれば海は豹変しケアラシや波の花が発生

トッチします

浦河生協で購入したお手頃価格の洋梨は増毛産

馬の縁は人の縁

無事、大会が終わりました。思い残しは何もありません‥

直前にハプニング発生、ブッツケ本番となりましたが、当面の目標だった完走が出来たので良しとします。

まあ乗り手としては全然ダメで飛越時の随伴が合わず、ほぼ馬に助けられたという“へくさい”騎乗でした‥

それにしてもショーヘイ・オータニのロゴ入りゼッケンは重圧だったなあ。

偶然の再会もありました。

日高で何となく、昔の馬仲間とバッタリ出会う気はしてましたが‥初対面でも共通の知人がいたりして、広いようで狭いこの界隈。

過去に妻がタウン誌の取材で「馬の縁は人の縁」と述べたことがありました。手前ミソながらこれは名言です。

JRAに勤務する獣医のI先輩は昨年、日高育成牧場の場長として赴任し予感が的中。今年もH90㎝級に出場、堅実に1位を取ってました。

そして今回、旭川乗馬クラブ時代の仲間だったM夫妻と数十年ぶりの再会。

夫のM氏は調教助手として渡り歩いていたため、日高管内にいればいつかはと思ってましたが、お互い浦河だったなんて!

当時、クラブでは会員同士の婚姻が相次ぎ、M夫妻や自分らも含め4組ほど続いたと記憶してます。

その内の1組、後輩のF君はある年の同窓会で「自分いま北海道の美深ってとこなんすけど、近くないですか?」なんと彼は獣医として妻の実家の近所に住んでたので、早速、旭川のクラブに誘いました。馬術部に続き彼を勧誘したのは2度目、こんな偶然は私の兄と妻の友人が同じ住所だったことに匹敵します。(年賀状書いてたら盛岡市○○荘?え?同じ‥みたいな)

日高の地元紙
昨年はターフィー とB・Bが対決

私はガチ理系なので霊感だの超能力はもちろん、宇宙人やら超常現象すら信じません。自己暗示のためHTBイチ○ニの占いは毎朝チェックしますが。

でも馬に関しては偶然とは思えないことが重なります。

「馬には乗ってみよ」という格言どおり、いつも自分の運命を思いがけない方向へ誘うのは馬だった様な気がします。

ああ、秋だ‥身近にある牧歌的世界

秋季大会にむけて

天高く馬も人も肥ゆる秋、です。

メガ盛も普通に完食する"チビの大食い"で知れ渡ってる(らしい)自分ですが、運動量がエアロビの倍と言われる乗馬を続けてる限り♪どんだけ食べても0カロリー、なハズ‥

彼方にアポイ岳山頂が

日高で乗馬を再開して早2年半、体は一向に戻りません。腕力が落ちたせいもありますが、ブランク20年の置き土産「ポッコリお腹」が邪魔で、飛び乗りが出来なくなったのは不徳の致すところ。

元が元なので仕方ありません。大学では選手でも何でもなく辛うじて4年続けただけ、社会人になって所属したクラブも週2-3鞍が限度、梅干みたく「20年寝かせたら熟成してた」なんてことないですよね。

とはいえ、馬術部4年とクラブ8年で積み上げた2千鞍は我ながら貴重な経験値。体に叩き込まれた朧気な感覚だけで残念な部分をカバーしてる昨今です。

さて、夏季はアポイ登山を理由にサボ‥いや欠場しましたが、秋季大会の参加は必須です。

町民大会と言ってもここは馬産のメッカ。

町内にはJRA育成牧場やBTCといった施設があり、馬のプロ達が出場してきます。しかもJRA場長は馬術部の先輩兼コーチ。体育会経験者なら想像つくと思いますが、新入部員にとって獣医6年は神の存在。ちなみに場長の9コ上が9冠馬を輩出した調教師です。

と言う訳で、参加種目はクロス障害飛越。四半世紀ぶりの障害競技出場です。

ガンばります、彼が。

彼の名付け親は‥な、な、なんと‥

まあ真ん中飛べばタッパ50㎝程度なので拒止も反抗もないでしょう。一応、馬術部出身者としての面目も保てそうです。

しかしクロスと言えど障害は障害。経路違反と落馬だけは何としても避けたい。

今でも夢に出てくるのは「共通1次目前なのに何も勉強してない」「角馬場に入場したとたん頭が真っ白になり経路忘れた」の2つです。前者は実際そんなことなかった非現実ですが、後者は今後、いや明日にも起こり得ること。

経路を一夜漬で覚える。1・2・3‥あとイッパイ!

本番までは「次の障害、右?左?どこだ~」うなされる夜が続きそうです。

寒地の作物と果樹

サツマイモは極寒の美深でも収穫可能です。恐らくゴーヤも育ちます。近年は道内各地で落花生など意外な作物が栽培されている様です。

単年作の場合、冬どんだけシバレようとも関係ありません。生育時に高温が期待できる上川盆地は亜熱帯原産である稲の一大産地となってますし、逆に日高沿岸みたく夏に海霧が覆う地域では、たとえ冬が温暖でも草地が優先します。

作物にとって制限要素は夏の積算温度、つまり無霜期間に収穫までたどり着けるかどうかに依ります。

立派なもんです!
義父による旭川産ゴーヤと次女が旭山動物園で収穫したマクワウリ
畑で育つのは作物だけじゃないbyホ○レン

道内の稲作は江戸前期の渡島大野新函館北斗駅周辺)で始まりました。明治以降、道央・道北へと拡大、現在の北限は遠別~美深~美幌を結ぶラインで、石高は新潟と並び日本一となっています。

♪五月雨の注ぐ山田に‥田植えは梅雨期というイメージがありますが、道内では春先からハウスで育苗、5月に融雪水を利用して田植え、9月中には収穫を終わらせます。用水を日光で温める温水溜池(温ため)と呼ばれる水利施設がありますが、今の品種はしゃっこくてもちゃんと育ちます。

先人達の飽くなき挑戦、まさに「試される大地。」

こりゃ珍しいハトムギの契約栽培かな?東鷹栖(旭川)の転作田にて

一方、果樹は冬の寒さや雪の保温効果にも左右されます。

空知の浦臼ではハウス内の季節を反転させる、という発想でマンゴウを栽培してるそうですが、寒地での果樹栽培には工夫が不可欠と感じます。

義父は様々な果樹の露地栽培にも挑戦、高クオリティなフルーツを作って皆を驚かせます。

リンゴは旭川が限界みたいで、美深では敢えなく凍死。たぶん桜桃やブドウも同様かと思われます。三浦綾子の小説の舞台、石狩と天塩の分水嶺塩狩峠」が一つの壁になっているのでしょう。

桃は旭川でも厳しく数年で枯れてしまいました。

旭川のイチジクは雪に隠れる高さが限度

一方、かなり成長する松前のイチジク。

道南では柿も実ります 函館(8月)

美深でイモ掘り

これまで当ブログの拠点としてきたのは浦河・函館・松前旭川の4市町ですが、今回は上川北部にある美深を取り上げます。妻の実家、いわば第5のホームグランドです。

豊かに実り芳しく色付く大地

南北に長い上川管内は山・川・盆地が連なる内陸地帯で、岐阜県と同じ広さがあります。地名の通り4大河川(天塩・石狩・空知・鵡)の上流域が合わさる北海道の水源とも言えます。

北部は石狩川に次ぐ国内4位の長流・天塩川水系にあたり、この上流域だけでも山梨県の面積に匹敵します。

もち米は高品質で冷めても柔らかく、コンビニのおこわや三重の赤福に重宝されるそうです。

その中核・名寄市の北20㎞に位置する美深町は最低気温-41℃を記録した町ですが夏は暑く、稲作の内陸部における北限となっています。ちなみに日本最北のセブンブンもあり、この先はセイコマばかり。

林業で栄え最高14千に達した人口も今や3千台。

旭川から100㎞稚内まで150㎞ 宗谷本線(北線)の存続が課題

この町で義父母は宿泊業を営んでいます。

元々は土建会社を経営する傍ら、公共工事等で町外から訪れる技術者のための下宿を併設してたのですが、こちらを拡充する形でビジネスホテルを設置しました。今ではスキーやマラソンの合宿にも使われています。

農家出身の義父は野菜作りにかけてはプロで、美深の自宅や旭川の別宅で多種多様な作物を栽培、宿泊客に提供する食材としています。生産と加工と販売、一応6次産業(1+2+3?1×2×3?どっちでもいっか‥)という体を成しています。

この日はバイトのあった長男以外、一家総出で馬鈴薯の収穫。

彼女が野良着にきがえたら‥イモ娘?いや芋芋クラブ?
会員番号1.助産師のタマゴ、大学3年の長女は札幌から援農に駆け付けてくれました。
会員番号2.旭山動物園で野菜作りの活動をしている高校1年の次女はさすが、農作業はお手のもの。

サツマイモは霜が降るまでオガらせます

くすさん(楠蚕)

上川地方の暑い夏はお盆を過ぎると突然、全盛期の幕を下ろし、短い秋が足早に走り去ります。今月中には霜、早ければ来月から根雪になる年も。

今回はヤママユ(天蚕)の一種クスサンの話題ですが、冒頭に掲げると興醒めなので、まずはベランダのミニ照葉樹林からクスの仲間を紹介。

トトロでお馴染み 台湾原産の史前帰化クスノキ

ヤブニッケイ

東北沿岸にも自生 タブノキ(イヌグス)

更に耐寒性が強く道南でも育つシロダモ

5-6月の低温で傷んでしまったシナモン(セイロンニッケイ

ローレル(月桂樹)

アボカド(ワニナシ

先月下旬、珍しく次女からCメールが。

3子の中で唯一、自然とか動植物に興味を持ってくれる稀有なバッチ(末っ子)です。高校の課外活動でも旭山動物園から産するウ○コを堆肥化して野菜を栽培、餌として還元する取り組みを実践している様です。小学生の時はウチダザリガニ防除体験に参加、最近まで旭川市のHPにどアップで写っていました。

「いつも夏の終わりに出てくるクソでかい蛾、何だっけ?」

道南や日高においては殆ど見かけませんが、上川管内ではこの時期、クスサンが発生します。

暖地では楠に寄生するそうですが様々な広葉樹を食害

シラガタロウと呼ばれる幼虫はインパクト大なのに不思議と目に付きません。毒々しいマイマイガの幼虫が目立つのとは対照的です。毎年「このマイマイガめ!」と言ってクスサンを叩き落としてる人の何と多いことか。

マイマイガ 成虫は地味です

後日の報道によると空知管内でも大発生とのこと。

美深へ家業の手伝いに行っている妻からも「カラスに胴体を食われて頭だけで飛んでる~」だの「つぶれたお腹から卵が出はってる~」だの、逐次報告があります。

帰宅する週、空知管内に入ると茶志内・江部乙・納内‥高速バス停留所の照明が無数の蛾に囲まれているのが分かります。

旭川はさすがに都会、随分少なく感じます。

でも翌日、草取り中に落ち葉かと思って拾ったら‥ウゲッ、蛾だ!

冬まつりで見たアン○ールズのネタ「蝶を狙うカマキリ」のオチみたい‥

夏草の線路

日高本線

自分も含め親族の生業を改めて見ると、教職と技能系公務員の割合が多い家系です。

父方の祖父も国鉄マンとして車両整備に携わっていました。戦時中は技師として満州へ単身渡航、一家での入植計画もあったそうです。幼かった父にとって残留孤児問題は他人事でありません。

帰国した祖父が苗穂機関区(札幌)に勤務していたS20年7月、艦載機による丘珠空襲があり、父は官舎からそれを見ていたところ、祖母に首根っこを掴まれ防空壕へ避難したそうです。当時の苗穂周辺は玉葱畑が広がり、丘珠方面まで見渡せたとのこと。

最近まで微かに昔の面影を残していた苗穂駅も再開発が進み、近代的な街並みに生まれ変わりました。

戦後、祖父は函館に戻りましたが、その五稜郭機関区もまた、今年度限りで閉鎖という話です。

昭和の頃、函館市内には国鉄官舎が至るところにあり、小中高を通して親が青函局勤務というクラスメイトが大勢いました。官舎へ遊びに行くと今で言うメゾネット式、団地内には浴場や売店もあり、独自のコミュニティが形成されていた様です。

あのノスタルジックな雰囲気は今も憶えてます。

函館にて 戸井線(未成)跡 
五稜郭から湯の川を経て下海岸へ、敷設計画があったとか。
一部は緑道として供用、高校の通学路でした。

昆虫採集に熱中していた中学時代、函館近郊20㎞圏内(大野平野)はチャリの守備範囲でしたが、峠の向こう側(大沼方面)まで足を延ばす時はいつも汽車でした。

駒ヶ岳山麓の火山灰地はカシワやミズナラ等の雑木が繁茂、クワガタ類の宝庫だったのです。林から林へ、友人達と線路上を移動していたら特急が通過、逃げ惑ったこともありました。(真似は絶対いけません。)

枕木の防腐剤、草いきれと甘酸っぱい樹液の香りに包まれたあの山中の無人駅を夏が来る度に懐かしく思い出します。

栗山での単身時に毎週利用していた近文駅旭川
電化路線なので電車が走ります。(当たり前?)